堀江真鯉男/発声の教科書

「声=息=体」のボイトレ

第16回「表現力の増やし方」

こんばんは、堀江真鯉男です。

今日、僕が声楽家としてみなさんにお話するのは、

 

「表現力の増やし方」

 

についてです。

どんな方法があるのか、早速一緒に観てみましょう。

 

現力とは?

まずそもそも、表現力とは何でしょうか?

音の強弱などの抑揚?

しゃくりやフォールなどのポップススキルのこと?

 

色んな意見があるとは思いますが、

最も大切なことは

「聴いた人の心の琴線に触れたか?」

に尽きると思います。

 

発声や音楽能力は高いのに、全く心に響かない歌を歌う歌手もいる一方で、

発声は未熟、音程やリズムは甘くても、心の琴線に触れる歌が歌える歌手もいます。

 

この差は一体、何なのでしょうか?

実は表現力の謎を紐解くカギも、変性意識状態にあります。

 

変性意識状態(altered state of consciousness、略してASC)は、身体を極度にリラックスさせた時に見聞きした情報が脳内にアップデートされやすい状態のことをいいます。また、インスピレーションが働きやすくなる状態でもあります。

 

琴線に触れる=臨

もしも楽曲に対してインスピレーションが働きやすくなったら、表現力はどうなるでしょうか?結論は、これまでにやりたくても出来なかったような微細な表現が可能になります。

 

ただここで気をつけなければならないのが、

「自分の歌唱スキルの範囲内でしか、インスピレーションを表現に変換できない」

という点にあります。

 

つまり、

アイディアが豊富でも、

発声の基礎技術や歌唱力が伴っていなければ

歌のクオリティはいつまでも上がらない

とも言うことができます。

 

歌唱力の中でも特に大切なのは

  1. 「音楽的にフレーズを繋げて歌う方法」
  2. 「言葉のひとつひとつを語るように歌う方法」

この2つがあり、

歌が上手く聞こえる条件はこの2つに対して

 

「どんな感情を込めるのか?どの言葉を大切にしたいのか?どんな景色を共有したいのか?そのためには、どうフレーズを繋げ、どう言葉を語れば良いのか?」

 

などのアイディアに対して「どうすれば表現したように聞こえるのか?」といった方法を探る必要があります。

 

そのためにはまず変性意識状態(極端なリラックス)になり、歌詞の内容や音楽の雰囲気、エネルギーに合っている感情を見つけることが大切です。

 

人は「ミラーリング」という心理的作用の影響を受けやすいようになっていて、相手が怒っていれば対面した人は不安になりやすく、相手が朗らかでいると対面した人は気が楽になりやすい、ということが起きます。

 

感情表現においても、自分が本当にその感情に入り込んだり、本気で何かを伝えようと真剣であるとき、その表現はミラーリング作用で相手に伝わりやすくなります。

 

そしてこのミラーリングこそが「聴いた人の心の琴線に触れる」ための最初の一歩になります。

☆今日のトレーニン

曲は、表現力を磨くヒントになる意識付けの方法をひとつご紹介します。

 

フレーズと語りに表現を加える

  1. 極端にリラックスして、曲に合った感情を探す
  2. 曲に合った感情になり、フレーズを繋げて歌う
  3. 曲に合った感情になり、言葉を語るように歌う

 

ぜひ、参考にしてみて下さい。

 

 

 

 

今日はここまでです!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました𓆏