堀江真鯉男/発声の教科書

「声=息=体」のボイトレ

第4回「呼吸が発声を良くする?」

こんにちは、堀江真鯉男です。

 

前回のブログでは、

声を良くするためには、呼吸と身体に注意を払う

 

というお話をさせて頂きました。

 

しかしそこで話が終わってしまうと

「なるほど!でも具体的にどうすればいいの?!」

という意見が出てくると思います。

 

そこで今回は、

「声と呼吸、身体」の繋がりを感じるための、具体的なトレーニング方法をひとつご紹介します。

 

の練習

「声と呼吸、身体」のトレーニングには様々な方法がありますが、まずは基礎の基礎からお伝えします。

 

基礎の基礎。それは、

「母音の練習をする」

これが、最も大切な練習のひとつになります。

 

しかし「母音の発音が大切」と言われてしまうと、ガッカリしてしまう方も多いのではないでしょうか。というのも「母音の発音を練習したほうがいいよ」なんて、発声のトレーニングをやったことがある人からしたら、耳にタコが出来るほど聞かされていることだからです。

 

「あいうえお」を、

しっかり口を動かして発音する!

腹式呼吸を使う!

ハキハキしゃべる!

 

そうした滑舌のトレーニングは、確かにある程度の効果はあるはずです。しかしこれは「人前でパフォーマンスをする」人には役立っても、「日常的な自分の声を改善したい」という人の役にはあまり立ちません。なぜならば、声を変えるために普段から口をハッキリ動かせ!というのはその場その場での対処療法のようなもので、その人の根本的な原因に対するアプローチが出来ていないからです。

もちろん演劇などの舞台表現では滑舌のコントロールは重要ですが、日常的な会話に使ってしまうと、どうしても不自然さが生まれてしまいます。

 

では、

「声の悩みを持つ全ての人」

に効果のある母音の練習とは、一体どのようなものでしょう。

 

そのヒントは、

「息を吸う時」「息を止める時」「息を吐く時」

にあります。

 

呼吸ごとに母音を変える

声のコントロールに必要なものは、

呼吸と身体の感覚です。

 

そして呼吸の状態には、

「息を吸う、息を止める、息を吐く」

の3つがあります。

 

多くの人は声を出す時、

「息を吸う、息を止める、息を吐く」

の「息を吐く」時しか母音を意識しないものです。

 

呼吸のあらゆる面に意識を置かないまま練習を続けてしまうと、

 

息を吸う時に、喉に力が入りすぎている

息を止める(支える)ための力が無さすぎる

息を吐くための、喉や口が狭い

 

といった問題が起こっていてもなかなか気づくことが出来ず、結果的に呼吸が原因で発声が崩れてしまいます。最悪の場合はそれが癖になってしまい、改善が困難になってしまうこともあります。

 

でも「息を吸う、息を止める、息を吐く」に意識を向けて練習をする人は、自分に起こっている呼吸の問題を早期に発見できるようになります。

 

そして呼吸の気づきの助けとなるものが、

 

「息を吸う、息を止める、息を吐く」

このそれぞれで母音を変える

 

という練習です。

これはほんの一例ですが、

 

「吸う」時に「O/オー」の口で吸う

「止める」時に「A/アッ」と喉の奥で息を止める

「吐く」時に「U/ウー(実際はオに近い)」で吐く

 

こうした呼吸と母音を連携させる練習を習慣化することで、

 

加齢による声の出づらさ、

発声や音程の不安定さ、

力任せな発声による声の歪みや荒れ、

 

といった問題を早期に改善することができます。

 

「吸う、止める、を出す

「息を吸う、息を止める、息を吐く」に対する意識の改善によって、次第に深い呼吸が出来るようになっていきます。

 

次は、「息を吐く」部分を「声を出す」に置き換えて行きます。

 

深い呼吸から生み出された声は、これまで自分が出したどの声よりも深く、柔らかく、音域のコントロールも楽になっているはずです。

 

声の出し方ですが、

はじめは「息を吸う(オー)、息を止める(アッ)、息を吐く(ウー)」の呼吸と同様に

 

「息を吸う(オー)、息を止める(アッ)、声を出す(ウー)

 

で行うのがカンタンでいいと思います。

 

ウの母音のまま音階練習をしたり、

ウの母音の直後に滑舌練習をしたりすると、

余計な力やエネルギーを使わずにトレーニングが出来て効果的です。

 

ぜひ、参考にしてみて下さい。

 

 

 

 

 

このブログでは、「声の悩みを解決する方法」について綴っていこうと思います。もしよければ、参考になさって下さい。

 

次回の記事もお楽しみに!