堀江真鯉男/発声の教科書

「声=息=体」のボイトレ

第5回「身体が発声を良くする?」

こんにちは、声楽家の堀江真鯉男です。

このブログでは「声の悩みを解決する方法」について綴っていこうと思います。もしよければ、参考になさって下さい。

 

今日は、

 

「発声は、身体の使い方を意識すると良くなる」

 

というお話をさせて頂きます。

 

身体に意識を置くとは?

まずボイストレーニングという言葉を定義する時、

 

「声の悩みを持つ人がまず具体的な問題点を見つけ、解決の糸口を探し、手に入れた情報を元に意識付けや反復練習といったトレーニングによって、自らの力で課題を克服すること」

 

という意味だとします。

 

そして「声の状態=呼吸、身体の状態」ですので(前回、前々回のブログを参照)、

 

声の改善=呼吸と身体の改善

ということになります。

 

呼吸を改善するためには、

「息の吸い方、息の止め方、息の吐き方」

に、どのような問題が起こっているかを探すことが大切です。

 

そして身体を改善するためには、

身体の7つのポイント

に意識を置くことが、鍵となります。

 

この7つのポイントは、サンスクリット語

チャクラ(車輪の意)」

と呼ばれています。

 

身体の7つのポイント

チャクラという言葉は、近年の漫画やアニメでもよく耳にするようになりました。なのでみなさんも、どこかで聞いたことがあるかもしれません。代表的なものをひとつ上げると、NARUTO疾風伝の作中に登場するキャラクターたちが忍術に使うエネルギーもチャクラと言う名前ですね。

 

実は、現在アジアと呼ばれている地区は、紀元前には声と呼吸、身体の繋がりについての研究が盛んに行われていました。現代のように医学が発達していなかった紀元前の時代では、身体の状態と呼吸の状態、そこに声の状態を照らし合わせて、健康管理や予防、診療を行っていたのです。

 

その「声を使った健康法」の中で、とりわけ重要視されていたものが「チャクラ」と呼ばれる身体のツボのようなものです。

 

チャクラは、現代的な解釈では7つあると言われていますが、地域や時代、団体によって、5つとする説、6つとする説などがあり、

中には720(!)あるとする説もあります。

 

今日はその中でも最も有名な「7つのチャクラ説」をご紹介します。

 

発声やボイストレーニングにおいて重要視されている場所は、

 

①ムーラダーラ/尾てい骨(おしりの穴のあたり)

②スワディシュターナ/臍下丹田:せいかたんでん

③マニプーラ/腰(背中の下側)

④アナーハタ/胸

⑤ヴィシュッダ/首(のど)

アージュニャー/眉間

⑦サハスラーラ/頭の上

 

この7つのチャクラです。

 

声を改善したい時は、呼吸と身体を改善することが大切であり、

身体を改善するときは、7つのポイントを改善することが大切になります。

 

もう少し分かりやすく言うと、

 

①股関節まわり

②おへそまわり

③腰まわり(背中の下側)

④胸まわり

⑤首まわり

⑥目のまわり(表情筋)

⑦頭皮

 

「この7箇所のストレッチや筋力トレーニング、ケアを行うことで、発声が改善される」

 

ということになります。

 

歌ってても声が上ずる。正しい音程が取れない。

セリフを喋ろうとしても、声が歪んだり引っかかったりして上手く出ない…

 

こうした声のトラブルの原因は、

まず確実に、呼吸と身体のトラブルによって引き起こされています。

 

身体のどこに余計な力が入っているのか?

身体のどこの筋力が足りないのか?

 

こうした問題をピンポイントで見つけるには時間も労力もかかるし、整体やマッサージに通うにもコストがかかりすぎます。しかし最初からトレーニングやケアすべき場所を「7箇所」に絞ることで、余計な時間やコストがかからずに済むわけです。

 

では、具体的にどんなトレーニングやケアをしたらいいのでしょう。

 

実は、7つのチャクラのトレーニングには様々な方法論や思想があり、その全てを列挙することは不可能なほどに膨大な量で、緻密で、忍耐を必要とするものばかりです。しかも中には僕達がぎょっとしてしまうような非現実的な方法論や思想もあったりするので、その全てがボイストレーニングに向いているものばかりとは言えません。

 

ここまで読んでいると、だんだんこんな気分になってきませんか?

 

そんなに面倒な方法ならやりたくない!

 

少なくとも僕ならそう思います。

 

ですのでこのブログでは、できるだけ噛み砕いて、カンタンな方法をお伝えします。

 

まず具体的なケアの方法をひとつ書くと、

 

「声を出す前に、身体の7箇所をほぐす」

 

これだけです。

これを習慣化して頂ければ、それだけで効果があります。

 

「え?たったそれだけ?」

 

そう、たったそれだけです。

 

高音域の声の支え方、声量を出すための力の込め方といった「身体の使用方法」よりも大切なのは、「身体の手入れの方法」です。「身体の手入れの方法」を覚えてしまう方が、この先に発声が崩れた時にも、発声を整えるためにも改善のために役立ちます。

 

ほぐす場所は、

 

①股関節まわり

②おへそまわり

③腰まわり(背中の下側)

④胸まわり

⑤首まわり

⑥目のまわり(表情筋)

⑦頭皮

 

この7箇所です。

 

まずはこれまでに小学校、中学校、高校の授業などで習ったストレッチや体操の知識、指圧のやり方などを使って、ほぐしてみて下さい。

 

確実に効果があります。

 

 

 

今日はここまでです!僕のオススメのほぐし方は、後日またお伝えします。お楽しみに!