堀江真鯉男/発声の教科書

「声=息=体」のボイトレ

第6回「プロ歌手の自己管理法」

こんにちは、堀江真鯉男です。

今日は、

 

プロ歌手が必ずやっている自己管理

 

についてお話します。

 

ますプロと呼ばれる人の定義ですが、ここでは

 

  1. 自らのプロフェッショナルな領域において自己学習、自己研鑽を積み続け、
  2. 自らのプロフェッショナルな領域においてサービス・物の提供をして、
  3. その対価として「お金や情報、サービス・物など」を受け取る人

 

をプロとします。(逆にこれが出来ていない人はプロじゃないとは思いますが)。

 

今回はその中でも、歌手活動などの音楽活動によって報酬を得ている「プロ歌手」が必ずやっている3つのことを取り上げます。

 

これはプロ歌手を目指す人のみならず、

声の悩みを持つあらゆる人に役立つ大切な考え方

になります。

 

プロ歌手が必ずやっている自己管理。

それは、

 

  1. ボイストレーニング(声を鍛える)
  2. ボイスケア(声を癒す)
  3. ボイスコントロール(声を使いこなす)

 

この3つの自己管理です。

 

ボイスマネジメントのすすめ

「自己管理なんて、また当たり前なことを言い出したな…それがなんだっていうんだ?」

 

そう思う人もいるかもしれません。

しかし「発声」について真剣に考える上で、この3つの自己管理は欠かすことが出来ない大切な項目です。

 

これは多くの人が抱える潜在的な問題ですが、「ボイストレーナーボイストレーニング」という言葉から想起されるものが、どうしても「鍛える」方向にむかってしまいがちです。そうすると、

声の悩みを改善する=声を鍛える

という図式を強烈に信奉する人が出てきてしまいます。例えば、声の使いすぎが原因で発声が崩れている人には「ボイスケア」が必要なのに、「発声が変なのはボイストレーニングが足りないんだ!」と信じてトレーニングを続けると、より発声を悪化させてしまう事態になりかねません。ボイストレーニングそのものは、決して万能ではありません。

 

そもそも発声とは

  1. ボイストレーニング(声を鍛える)
  2. ボイスケア(声を癒す)
  3. ボイスコントロール(声を使いこなす)

この3要素を管理すること

を指します。

 

そして、こうした発声の3要素を管理することを、

ボイスマネジメント(声の管理)

と呼ぶことにします。

ただこの名称は、僕が声の管理方法を総括して呼ぶためにそう定義付けているだけで、一般的に世の中に流布している名称ではありません。悪しからず。

 

難しすぎてよくわからない。

カンタンに言うと、どういうこと?

 

確かにこのままだとよく分からないですよね。

カンタンに言ってしまえば、

 

「声の悩みを改善するためには
ボイストレーニングだけじゃダメで、

 

たまには温泉や整体、エステなどに行って

体を労わったり、

 

人前で話したり歌う時には

息をゆっくり吸ったり、力強く吐いたり、

 

そうやって自分の声をサポートしてあげることが

声の悩みを改善する近道

 

ということです。

 

このボイスマネジメント(声の管理)について考える時、これまでのブログで書いてきた、

 

声の状態は、呼吸と身体の状態を表している

 

という考え方を応用します。

 

つまり、

プロ歌手が必ず行っている

ボイスマネジメント(声の管理)とは、

 

  1. 「声と呼吸、身体の鍛え方」
  2. 「声と呼吸、身体の癒し方」
  3. 「声と呼吸、身体の使い方」

 

この3要素を徹底して管理することで、プロ歌手としての活動を自ら支え、歌手生命を長くすることを言います。

 

例えばこれをRPGなどのゲームに置き換えると、

 

「強化魔法」

「回復魔法」

「攻撃魔法」

 

のような、3系統の魔法のイメージです。

 

ドラゴンクエストファイナルファンタジーといったゲーム(RPG)が好きな人には共感して頂けると思いますが、長い冒険の中で「強化/回復/攻撃」のどれかがレベル不足だと、ゲーム終盤のボス戦、あるいはフィールドエンカウントでパーティーが幾度も全滅してしまい、レベル上げや装備集めに時間をかけなければ先に進めない、という面倒な事態が待っています。(ゲームが好きな人にしか伝わらない例えですね…!)

 

プロの歌手はこうした3系統の管理によって、

 

歌唱スキルを強化したり、

風邪や歌いすぎ等のダメージからの回復を早めたり、

コンサートや演奏会本番での成功率を上げるために自分自身と戦う、

 

ということを行っています。

 

その具体的な管理方法については、またいずれご紹介させて頂きます。

 

今日はここまで!

また明日のブログも発声のことを書くので、

もし良ければ参考になさって下さい。

 

次回もお楽しみに!