第13回「学習臨界期と絶対音感」
こんばんは、堀江真鯉男です。
このブログでは「声を良くする!テクニック」として、声楽家として自分が日頃気づいたこと、学んだことをまとめるために書き記しています。声の悩みを改善するサポートとして、何か皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
さて、今回のテーマは
「学習臨界期と絶対音感」
についてです。
さあ、また聞きなれない単語が出てきましたね?
学習臨界期…?なんなんだそれは??
それと音感が、どう関係あるんだ???
結論から言います。
ある条件さえ揃えば
大人になってからでも絶対音感は身につく
という話です。
さっそく見ていきましょう。
学習限界年齢と臨界期
僕たち人間の成長過程には、教育や自己学習によって体得するもの、そして脳と身体の成長過程で自然と体得するものがあります。
教育や自己学習というのは多くの場合、家庭や学校、社会のなかで「ルール」や「知識」、「テクニック」などを学ぶために行われます。
しかし脳と身体の成長は、一般的に言えば、自分の意思でコントロールできる領域ではありません。視覚野や言語野といった脳機能の基礎的部分は、7歳ころまでに成長を終えると言われています。一次成長〜二次成長といった生理学的な身体の成長も、自らの意思で干渉することの出来ないアンコントローラブルな領域です。
脳機能のひとつである言語野の成長もその限りではなく、たとえば母国語の学習限界年齢は7歳までだと言われています。こうした学習限界年齢を「臨界期」といいます。
ここからは学習限界における臨界期を縮めて
「学習臨界期」
という用語を使っていきます。
絶対音感=言語?
音感は大きく2つに分けて「相対音感」と「絶対音感」があります。
相対音感とは、複数の音の高さを聴いて比べた時に「音の高低や明暗、強弱などのバランスが相対的にわかる音楽的能力」のことをいいます。脳機能で言えば「複数の音を右脳(抽象的)に処理する能力」のことを言います。
対して絶対音感とは、単音だけを聴いた時に「音名(周波数で規定された音の名前)や特定の言語的意味(感情や色彩など)が、いついかなる時も絶対的に変わらない言語的能力」のことをいいます。脳機能で言えば「個別の音を左脳(言語野)で処理する能力」のことを言います。
「えっ急に難しくなってきたな。つまりどういうことなんだ??」
簡単に言うと、
相対音感とは「音楽をするために必要な比較能力」のことで、
絶対音感とは「比較対象が無くても音が個別にわかる能力」のことを言います。
絶対音感のユニークな点は、
「個別の音を左脳(言語野)で処理する能力」
という部分です。
これはどういうことかと言うと、絶対音感の人は音に個別に付けられたシリアルナンバーがいつも分かっていて、ある音の高さを聞くと「G(ソ)」というシリアルナンバーが言語野から引っ張られてきて、またある音の高さを聞くと「E♭(ミのフラット)」というシリアルナンバーが言語野から引っ張られてくる、というシステムで音を識別しているのです。
このように絶対音感は言語野の処理能力に依存するものなので、通常は学習臨界期を超えると、絶対音感は習得が困難になってしまいます。
学習臨界期を突破する方法
「学習臨界期は7歳かあ。それって、大人になってからは絶対音感は身につかないってことだよな。うーん、子供の頃に音楽をやっていなかった人は、音楽なんて出来ないのかなぁ…」
そんな声が聞こえてきそうです。
でもそんなつまらないことを、わざわざブログで書きませんのでご安心を。
学習臨界期には
突破方法があります。
その条件の1つ目は、
「自分が大好きなことなら突破できる」
です。
みなさんは、子供の時にどんなことに興味がありましたか?木に登ったり、おままごとをしたり。絵を描いたり、ゲームをしたり、スポーツをしたり。子供の頃って、自分の好きなことばっかりやって、親に叱られても止めなかったりしますよね。(まあこれは大人になってからも変わらないかもしれませんが!)
そして自分が大好きなことばかりしていれば、必ずそこにかける時間は他の人より圧倒的に多くなります。こうした圧倒的な時間のかけ方だけが、さまざまな能力を高める基本になります。
「大好きなことに、膨大な時間を使う」
これが、1つ目の条件です。
2つ目の条件は、
「徹底的にトレースする」
です。
これは絶対音感の学習に限ったことではありませんが、物事の上達には、理屈を考えずにただひたすら真似をすることが大切です。僕達が日本語を習得できたのは、無意識にひたすら親の会話や周囲の会話を真似し続けた賜物です。
赤ちゃんの時に「ふむ、母親の口元が大きく開いた時がAの母音か。表情筋もあげた方が効果的かもしれない、参考にしよう」なんて考えていた人はいないと思います。もしそんな人がいたら、その人は最初から日本語を習得していたことになり、日本語を新たに学習する必要がないことになりますよね?
この「もう知ってる」という感覚が、言語野の学習を阻んでしまいます。脳は簡単にはアップデートできない仕組みになっていて、もう既に知っていることをわざわざ再学習しようとはしないように出来ています。しかし、視覚野と聴覚野のみを使って反射的な模倣を続けることで、アップデートを阻むフィルターを通過できるようになっています。
「頭で考えず、見聞きしたことを反射的にトレースし続けること」
これが、2つ目の条件です。
そして最後の条件は、
「極端なリラックス」
です。
脳機能のアップデートには、身体が極端にリラックスしている必要があります。限界までリラックスして身体の臨場感が低下した時に人間の脳はREM睡眠状態となり、夢を見ます。この夢を見る状態というのは、海馬(記憶を司る部分)から情報ダウンロードや情報アップデートといったアクセスが盛んに行われて、情動記憶や五感の記憶、新規学習情報が整理されている状態です。
実は、この極度のリラックス状態で見聞きしたことは、脳のフィルターを容易に通過してくれます。
こうした脳機能のアップデートモードを
「変性意識状態」
といいます。
「身体を極端にリラックスさせて、変性意識状態になる」
これが最後の条件です。
まとめ
「学習臨界期を突破して絶対音感を学習する方法」
- 膨大な時間を使う
- 見聞きしたことを、反射的にトレースし続ける
- 身体を極端にリラックスさせる
☆今日のトレーニング
ここで、音感トレーニングに有効なトレーニングをひとつご紹介します。まず前提条件は、
ピアノやキーボードを用意し、鍵盤に音名を書いたシールを貼ります。そして以下のトレーニングを極端にリラックスした状態で行ってください。※
音感トレーニング
- 任意の音を弾く
- 頭の中で同じ音程を思い浮かべる
- 鍵盤を見ながら、頭の中の音と同じ音程で歌う※
- 失敗、1に戻る
※ドイツ語式とイタリア語式の音名、どちらも可
毎日3〜12時間行うことで、
3週間〜3ヶ月で効果が現れはじめます。
ぜひ、参考になさってみて下さい。
さて、今日はここまでです!
また次回をお楽しみに𓆏
第12回「情動記憶とインステイト」
おはようございます、堀江真鯉男です。
このブログでは「声を良くする!テクニック」として、声楽家として自分が日頃気づいたこと、学んだことをまとめるために書き記しています。声の悩みを改善するサポートとして、何か皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
今日のテーマは、
様々な感情表現をする際に必要な
「情動記憶とインステイト」
についてです。
まず結論から言うと、
感情表現が上手くいかなくて悩んでいる人は
過去の感情体験と想像力で必ず克服できる
という話です。
でも感情表現の方法論について取り上げると、
情動記憶???インステイト???
感情表現って、感情のままに表現すればそれでよくない???
という意見が必ず出てきます。
確かに、感情表現がうまくいっている人や、感情のコントロールで特に悩んでいない人には無縁な話ですので、そうした方には必要のない話かもしれません。
ここでわざわざ「感情表現のための方法論」を書くのは、世の中には「感情表現が上手くできない」「感情が上手くコントロールできない」という悩みを抱えている人が少なからずいる、という事実に基づいて、その人たちの「声の悩み」を改善するヒントやサポートに少しでもなったら良いな、という目的があるからです。
では早速、
情動記憶とは何か?から話していきます。
情動記憶=過去の感情体験
まず、
脳機能で定義される心の正負の状態(内部表現)は
- 自己評価(メタ認知)
- 過去の感情体験(情動記憶)
- 五感と言語(モーダルチャネル)
- 信念・価値観(ビリーフ)
これらの領域よって構成されています。
「情動記憶」は今日から過去までの感情的な体験を司っていて、「喜怒哀楽」などの様々な感情は、この情動記憶からモーダルチャネルを通じて「不平不満」や「歓喜」として、態度や言葉に表れるようになっています。
感情表現が上手くいかなくて悩んでいる人は、この「情動記憶」にアクセスすることが問題解決の重要なカギになるわけです。でも、どうやって情動記憶にアクセスしたらいいのでしょう?
そのためには、ふたつの手順が必要になります。
ひとつは「徹底的な身体のリラックス」。
もうひとつは
「過去に体験した喜怒哀楽の場面を思い起こす」
です。
人間の脳は、身体がリラックスしている時にのみ、これまでの人生で体験してきた感覚や感情を思い起こすことが出来る構造になっています。(こうした脳の状態を変性意識状態といいますが、また別の機会にお話します)
つまり「感情表現が上手くできなくて悩んでいる」という人は、まずは徹底的にリラックスすることが大切です。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、マッサージを受ける、ストレッチをするなどして、床で大の字になってぼーっとするのがいいと思います。やわらかいソファーに深めに座るのもアリです。
リラックス出来たら「過去に体験した喜怒哀楽の場面を思い起こす」をやって見ましょう。
たとえば、「子供の時に手を繋いだ記憶」や「おんぶしてもらった記憶」、「高い高いをしてもらった記憶」などは
「嬉しい」
という感情を呼び起こしやすいと思います。
また、「友達とケンカしてしまった記憶」、「誕生日に風邪をひいて寝込んでしまった記憶」、「クリスマスにひとりぼっちで街を歩いた記憶」などは「悲しい」
という感情を呼び起こしやすいでしょう。
ただこれらは、どのような背景があったか?によって変化します。先程の「子供の時に手を繋いだ記憶」といった条件も、子供の頃の環境が窮屈で息苦しいものならば「いつも叱られて強く手を引っ張られていたっけな、悲しい」に転じる可能性もあります。
また逆に「友達とケンカしてしまった記憶」も、実はそれがきっかけでその友達が何でも話せる親友になった、という後日談があったりすると「あのケンカのおかげで親友ができた、嬉しい」に転じる可能性もあります。
このように、過去体験というものは様々な感情体験と結びついています。舞台芸術や歌唱芸術の世界でプロフェッショナルとして活躍する人達の多くは、自分の演じる役や時代設定、歌詞、音楽の世界に入り込みながら、その世界のテーマと共通する自分の過去の感情体験を思い起こして使い、リアリティーを生み出しています。
舞台芸術の世界ではこうした演技論を「メソード演技」といい、NLP(神経言語プログラミング)という心理療法の世界では「インステイト」と呼んでいます。
情動記憶とインステイト
「インステイト」というのは「想像の世界に、五感と感情のリアリティーを感じながら入り込む」という技術です。先程紹介したメソード演技も同じ手法によって行われ、舞台芸術や歌唱芸術のリアリティーはインステイトによって生み出されると言っても過言ではありません。
そして、インステイト技術の根幹となるものは
- 徹底的なリラックス
- 歌詞や配役の設定・世界観をできるだけ細かくリアルに想像する
- 歌詞や配役に関連しそうな過去の感情体験(情動記憶)を思い起こす
この3つです。
感情表現で悩んでいる人は、この3つを上から順番に試してみてください。
そして「インステイトした状態」で歌ったり演技をしてみると、感情表現とは「そう見せかける技術」ではなく「そこに入り込む技術」のことなのだと、きっと感じられると思います。
さて、今日はここまでです!
また次回も「声のこと」について書くので、お楽しみに𓆏
第11回「五感とサブモダリティ」
こんばんは、堀江真鯉男です。
このブログでは「声を良くする!テクニック」として、声楽家として自分が日頃気づいたこと、学んだことをまとめるために書き記しています。声の悩みを改善するサポートとして、何か皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
今日は「センスの鍛え方」の続き、
「五感とサブモダリティ」
についてお話します。
先に結論を挙げておくと、
「五感の使い方が、発声や音楽のセンスをものすごくレベルアップしてくれる」
という話です。
「五感はわかる。でもサブモダリティってなに?」
確かに。
サブモダリティ?
少なくとも、声楽の世界では聞いたことがない単語です。
この五感とサブモダリティ。
一体、なんの役に立つのでしょうか?
五感と言語感覚
もし誰かに
「発声を良くするために大切なことはなに?」
と尋ねられたら、僕は迷わず
「呼吸と身体を整えることです」
と答えます。
特に身体の使い方に関しては具体的なトレーニングの方法や抽象的なイメージを伝える方法などがあって、僕が声楽家・ボイストレーナーとしてこれまでに学んできた方法で言うなら
「共鳴区を響かせる方法」
「7つの身体のケア方法」
「インナーマッスルの鍛え方」
「本番での成功率を120%に近づける方法」
などいろんなやり方があります。
だけど発声に役立つ身体の使い方は、
「筋肉の使い方」だけではありません。
身体の使い方を広い意味で言うなら、
「五感の使い方」
を学ぶことも、身体の使い方を学ぶことに等しいと思います。
五感について改めて取り上げておくと、
「視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚」
この5つの感覚器が五感と呼ばれています。
そこに言葉の感覚が合わさることで、人間は奥深いコミュニケーションを取る事が出来ます。
この五感と言葉によるコミュニケーションは共感や感動を生みだす一方で、すれちがいや押し付けを生み出すことも多々あります。
これは僕の体験談ですが、
高校生の時、僕は吹奏楽部に入っていました。ある時、普段あまり部活に来ていなかった女子と話す機会があり、話を聞いてみると「バイトが忙しくて部活に顔を出せない」と嘆いてたんですね。
そこで僕は労うつもりで
「そうかあ、頑張ってね」
と声をかけました。
さて皆さん、彼女はどんな反応だったと思いますか?彼女は怒った声で、こう応えました。
「もう頑張ってるよ!これ以上なにを頑張れって言うの!?」
いま思えば、僕が相手に掛けた「頑張ってね」は、すでに頑張っていた彼女を追い詰めてしまうような、配慮や気遣いに欠けた言葉だったなと思います。
一見「頑張ってね」は、ポジティブな言葉に思えます。しかし状況や背景によっては、相手を追い詰めたり否定してしまうネガティブな言葉にもなり得るということです。
言葉の受け取り方は、
相手がどのような人生経験をしているか?(過去)
今どのような状況にいるのか?(現在)
どこに向かおうとしているのか?(未来)
そうした背景によって変わります。
言葉というのは、受け取り手(相手や第三者)の現状位置によってポジティブにもネガティブにも変わります。また「五感の記憶」や「感情の記憶」を呼び起こすこともあります。
このように、言語によって心の反応や記憶への干渉が起こる感性を
「言語感覚」
と呼び、この言語感覚と五感を合わせた感覚の入出力チャネルを
「モーダルチャネル」
といいます。
細かなパラメーター設定
モーダルチャネルには
「視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚」
+言語感覚があります。
(実際には「筋感覚」のように他にもあるのですが、今回は割愛します)
そしてこうした感覚には、実際にはもっと細かな感覚があります。
例えば視覚で言うならば
「見る」
というアクションにはもっとこまかなパラメーター設定があって、
「色の濃淡を見る、凹凸を見る、明暗をみる、透過性を見る、高低差を見る、質感を見る、自然と不自然を見る、動きを見る、距離を見る」
など、本当はいろんなことを細かく見たり、細かく気づいたりしています。
聴覚で言うならば
「聞く」
というアクションにも
「音程の高低差を聞く、硬さ柔らかさの質感を聞く、人工的か自然かの性質を聞く、強弱を聞く、持続時間の長短を聞く、明るさ暗さを聞く、奥行の浅さ深さを聞く、鋭さ丸さを聞く、凹凸を聞く、流動性と不動性を聞く、若さと老齢さを聞く、鮮やかさと不鮮明さを聞く、声の状態から身体の状態を聞く、呼吸音の健康さ不健康さを聞く」
など、ものすごくこまかなパラメーター設定があります。
このように、モーダルチャネルの各感覚に割り振られた細かいパラメーター設定のことを
「サブモダリティ」
と言います。
サブモダリティと感覚の送受信
サブモダリティには、
受信と送信、入力と出力
に関する感覚があります。
「見る」や「聞く」というアクションは受信や入力の機能を持つ一方で、送信や出力の機能もあります。
これはどういう意味かと言うと、
例えば「歌を歌う」「絵を描く」「詩を書く」といった送信・出力をするためには、
「聴覚」「視覚」「言語感覚」の各チャンネルから内部表現(心のこと)に受信・入力されてきた莫大な量の経験と知識が必要だと言うことです。
実はこのサブモダリティこそが、
詩のセンス(言語感覚の送受信)
美術のセンス(視覚の送受信)
音楽のセンス(聴覚の送受信)
アロマのセンス(嗅覚の送受信)
料理のセンス(味覚の送受信)
運動のセンス(触覚や筋感覚の送受信)
などを生み出しています。
つまりセンスとは、
サブモダリティの
圧倒的に細かいパラメーター設定
のことを言います。
さて、残念ながら今日はここまでです!
また次回をお楽しみに𓆏
第10回「声質と共鳴区」
こんにちは、声楽家の堀江真鯉男です。
このブログでは「必ず声が良くなるテクニック」について、説明や実践方法などを皆さんにお伝えしています。
今回のテーマは、
「声質と共鳴区(きょうめいく)」
についてです。
「でたー!また知らない単語!」
「なんだ?きょうめいくって!」
ですよね??
実はカワボやイケボ、鼻声や喉声、よく響く声などのいわゆる「声質」というのは、
共鳴区のどこに声が響くか?
によって変化します。
では今回も、まずは共鳴区の定義付けからしていきましょう。
身体の響く感覚?
共鳴区とは医学的に、
「身体の中の、声が響きやすい空間」
のことを指します。
「身体の中の、声が響きやすい空間」はいくつか存在していて、身体の中のどこに声を響かせるか?を意識して練習することが、発声を改善する上で助けになります。
ここでは、代表的な共鳴区を見ていきましょう。
咽頭内共鳴
喉の奥は医学的に「咽頭(いんとう)」と呼ばれ、咽頭内に声が響くことを「咽頭内共鳴」と言う。
口腔内共鳴
口から喉の手前までを医学的に「口腔(こうくう)」と呼び、口腔内に声が響くことを「口腔内共鳴」と言う。
鼻腔内共鳴
鼻の中の空間を医学的に「鼻腔(びくう)」と呼び、鼻腔内に声が響くことを「鼻腔内共鳴」と言う。
胸腔内共鳴
胸の内部の空間を医学的に「胸腔(きょうくう)」と呼び、胸腔内に声が響くことを「胸腔内共鳴」と言う。
鎖骨内共鳴※
喉仏の下から鎖骨の内側までの空間に声が響くことを「鎖骨内共鳴」と言う。
※この共鳴区は、必ずしも医学的に規定されない。トランスジェンダー発声法のひとつである「メラニー法」は、この領域のトレーニングを目的としている。
これをものすごく抽象的に言い換えて
声が響くポイントは
喉のなか、口のなか、鼻のなか、胸のなか
などいくつかあって、
どこに響かせたかによって声色が変わる
という説明の方が、分かりやすいですね。
発声の練習で大切なことのひとつは、
共鳴区のどこに声を響かせれば、
自分の求める声質になるのだろうか?
そうした意識付けを続けることです。
共鳴区の意識付けやコントロールの練習は、声優やナレーター、舞台役者、歌手、声楽家などの基礎能力を高める助けにもなります。また、発声に今起こっている問題の原因を突き止める上でも役立ちます。
鼻声の原因
例えば「鼻声」という問題を発声の観点から改善するためには、咽頭を3つのセクションに細分化して考えていきます。
1.中咽頭(ちゅういんとう)
口の中を鏡で見た時に観察できる喉の奥
2.下咽頭(かいんとう)
鏡では確認できない喉の奥の下側
(食道に繋がるパイプの入口)
3.上咽頭(じょういんとう)
鏡では確認できない喉の奥の上側
(鼻に繋がるパイプの入口)
発声の観点から診ると、鼻声とは「口腔内(口の中)が狭すぎて、声の通り道(声道)が塞がってしまうことで起こる現象」です。
声の通り道が塞がると、声の出口を失った声は「上咽頭」を過度に押し広げて出ていこうとします。そして結果的に「鼻に力が入ったような声」や「鼻が詰まったような声」になってしまうわけです。
「口の中がせまいと、鼻声になる」
単純化して言うならば、この一言に集約されます。
口の中が狭くなる人は日本語の「え母音」や「い母音」のように、口を横に広げて息を吸っている場合が多く、こうした呼吸の浅さが鼻声に直結しています。僕自身も様々な人をレッスンしていく中で、呼吸の浅さが原因で鼻声になっているケースを何度も見てきました。
この問題を改善するためには、
声の通り道が開きやすくなる
「Oの唇の形」で息を吸う
というエクササイズが必要です。
声の通り道を開通し、押し広げられた上咽頭をリラックスしたフォームに戻す。
そうしたトレーニングで鼻声は徐々に消えていきます。ぜひ、試して見てください。
身体を動かす感覚「筋感覚」
発声の基礎力を高めたり、問題点を改善するためには、共鳴区に対する気づきや感覚に対して、繊細さを持ってトレーニングしなければなりません。
こうした身体的な運動感覚を「アレクサンダーテクニーク」という身体トレーニングの流派では
「筋感覚(きんかんかく)」
と呼んでいます。
現代的なボイストレーニングではこうした筋感覚を鍛えて共鳴区を知覚できるようにトレーニングする場合が多く、
「ヘッドボイス」や「ミックスボイス」といった声色の変化を習得するということは、
共鳴区に対する筋感覚を変えること
と言い換えることも出来ます。
東洋的な7つの共鳴区
共鳴区の現代的な解釈は
「身体の中の、声が響きやすい空間」
のことを指していましたが、
紀元前の東洋(古代ボン教やヒンドゥー教、バラモン教や仏教など)で研究されてきた発声の世界では、
「共鳴区=全身のあらゆる場所にある」
としています。
これは医学的な共鳴区の「身体内部の空間に響く」ではなく、
物理現象としての「物体の共振」にフォーカスを当てた考え方です。
身近な例でいえば、部屋で音楽を聴いていると、ある音の高さでカーテンレールが鳴ったりすることがありますよね。このように物体というのは、音の高さや大きさ、響き方によって共振します。凄い人になると高い声を出すことでワイングラスを共振させて割る人がいますが、テレビで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
東洋的な発声研究の世界においては、
「物体としての身体」のどこに声が響くか?
という考察が紀元前からされてきました。そして「物体としての身体」が共振する場所を大きく7つにわけ、その共鳴区は「チャクラ」と呼ばれています。
「物体としての身体」に声が共振するポイントは、
- 会陰(股関節)/???
- 臍下丹田(仙骨)/???
- 腰椎(みぞおち)/???
- 心臓(胸腔)/チェストボイスの領域
- 首(咽頭)/ミドルボイスの領域
- 眉間(鼻腔、目)/ベルティングの領域
- 頭頂部(頭蓋)/ヘッドボイスの領域
の7つとされています。
(1ー3の???に関しては、別の機会でお話します)
実は発声のトレーニングを行う際に、
医学的な共鳴区の訓練ではあまり効果のない人が、少なからずいます。
そうした人達にひたすら現代的なボイストレーニングをしても成果があがらず、トレーニングを受けている生徒さんは次第に気力がなくなり、
「自分には才能がないのかなぁ…」
と落ち込んで行ってしまいます。
しかし、ハッキリ言います。
発声の才能が無い人なんて、
この世に一人もいません。
上手くいかない人は単純にトレーニングの方法が合っていないか、教え方に問題があるだけです。
なかなか上達しない人の多くは
「股関節や背中周りの疲れ」
「首や肩のコリ」
「頭皮の硬さ」
「胸周りの筋肉のストレッチ不足」
といった身体的ダメージや慢性的ストレス、
日常的なケア不足などが原因となっている場合がほとんどです。
こうした人はまず、
東洋的な7つの共鳴区(物体としての身体を響かせるポイント)に対して、
指圧などのケアやストレッチ、筋力トレーニングを行う事が大切です。
また、睡眠の質を改善する、湯船に浸かるなどのストレス緩和を行うことも、必ず発声の質を変えます。
心身のケアを行う過程でも筋感覚は鍛えられるので、たまには気分転換に旅行に行ったり、時間を忘れて遊んだりして、出来るだけストレス値を下げるように努めましょう。
これは決してサボっている時間ではなく、
心身のケア、コントロールという大切な訓練の時間です。ですので、たまには声を使うことも歌うことも忘れて、解放された自由な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
ぜひ、参考になさってみて下さい。
さて、今日はここまで!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました𓆏
第9回「母音の純化」
こんばんは、堀江真鯉男です。
今日お話するのは
「母音の純化」
についてです。
母音の純化?なんだそれは!
聞いたことないな?
そんな人も多いかと思います。
一言で言ってしまうと
「母音に気をつけると、発声が良くなる」
という話です。
しかし「母音の発音練習」ではなく、
「母音の純化」とは?
一体、何のことを言っているのでしょう。
母音の純化と声道の関係
日本語には5つの母音「あいうえお」があり、このように「母音が5つある国」は世界中に沢山あります。そして、僕達日本人は「5つの母音=5つの口の形がある」と習ってきました。発音が良くなかったり歌が上手く歌えないと
「もっと口を動かせ!」
と言われた経験がある方も、沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし「歌う時に声がうまく出ない」「声が途中で引っかかってしまう」という人は、こうした母音のウソに長年騙されてきた人達です。
「そうはいっても、母音ってちゃんと発音しなきゃいけないんじゃないの?口をハッキリ動かさないで母音をしゃべれるの?」
これまで多くの方のボイストレーニングをさせて頂く中で、何度もこうした嘆きを耳にしてきました。
母音を5つに分けて発音することは、
声の寿命を確実に削ります。
まず、声の通り道(声道)を開くことが出来る基本的な母音は
「O、A、U」
の3つだけです。
そしてこの3つの母音を発音する際に、
声の響き方、鳴り方、声質などを、ひとつの音色のシリーズに統一していく作業のことを
「母音の純化」
といいます。
声道を開くタイミング
母音の純化を行う際に大切なことは、息の吸い方です。
日本人の多くは口呼吸をする際に「あ」の口の形で息を吸います。「あ」の口の形はヘッドボイス(頭声)を響かせることに向いており「もっと口を開け!」というアドバイスの多くは、このヘッドボイスを意識したものが多いかと思います。
しかし、チェストボイス(胸声)の基礎訓練をしない内にヘッドボイスの練習をしすぎると、必ず喉を痛めます。
「あ」の母音の形で呼吸をしすぎると、息を吸う際に大量の空気が軟口蓋と扁桃腺を乾かし、粘膜を傷め、結果的に扁桃炎、咽頭炎などを引き起こします。
軟口蓋は、確かに声を響かせたり歪めたりと言ったディストーションの役割は持っていますが、声の通り道(声道)を確保すると言った目的から考えた場合は役に立たないどころか、かえって発声をおかしくしてしまい、中には
「軟口蓋さえ開けておけば発声はよくなるはずだ!なのになぜか発声が改善されない?きっと練習が足りないんだ、もっと軟口蓋を開けなければならない!」
という、軟口蓋のトレーニングを妄信する人まで現れます。
しかし大切なことは、まずは「声の通り道(声道)を確保すること」のはずです。喉がしまっていては、声が外まで綺麗に出てくれません。
そして喉を開くために大切なことは
「息を吸う時に、喉を開く」
ということです。
では、どうすればいいのか?
具体的には
「Oの唇の形」で息を吸う
というアプローチが、こうした問題を解決してくれます。
喉仏と声質の変化
息を吸う際の母音に応じて、喉仏の位置が変化します。そして喉仏の位置に応じて、声質に変化が起こります。
こうした「息を吸う際の母音」による声質変化を3つに分けて
「ミドルボイス(喉仏が真ん中の声)」
「ハイラリンクス(喉仏が上がった声)」
「ローラリンクス(喉仏が下がった声)」
と呼びます。
1.ミドルボイス(喉仏が真ん中の声)
「Oの唇の形」で息を吸うことで、喉仏の位置が安定しやすくなります。この喉仏の位置が発声訓練を行う際の基本位置となり、後にミックスボイス、ベルティングを習得する上での基礎になります。この状態を「ミドルボイス」と呼びます。
2.ハイラリンクス(喉仏が上がった声)
「Aの唇の形」で息を吸うことで、喉仏が上がりやすくなります。鼻声や浅い声、長いフレーズが歌えないといった問題が生じやすい発声です。反面、儚さや柔らかさ、幼さ、女性らしさを表現しやすい発声でもあります。この状態を「ハイラリンクス」と呼びます。
3.ローラリンクス(喉仏が下がった声)
「Uの唇の形」で息を吸うことで、喉仏が下がりやすくなります。喉声や篭ったような声、滑舌の悪さ、ガサツな声になるといった問題が生じやすい発声です。反面、芯の強さ、パワフルさ、重厚感、男性らしさを表現しやすい発声でもあります。この状態を「ローラリンクス」と呼びます。
こうした「O、A、U」の息の吸い方がとても大切なのですが、
加えて声を出す際に
「吸った時の、喉の開き方のまま、声を出す」
という意識付けを行うことで、発声に安定感が出てくるようになります。
声道を開く母音の派生系
ここまでは「O、A、U」の説明をしてきましたが、
「あれ?IとEはどこにいった?」
そう、「I、E」母音の説明がまだですね。
実はこのふたつの母音は、クラシックやポップスのボイストレーニングにおいて、日本語の母音の概念とだいぶ違っています。
「I、E」は日本語の場合、口を横に開く発音であり、口の中を狭めやすく、浅い声になりやすい母音でもあります。
「じゃあIとEは練習しないの?曲の中に母音は5個出てくるのに、そんなの変じゃないか!」
母音は5個。確かにそうです。
しかし「母音の純化」という概念の中では、あくまで声の通り道を開く基本的な母音は「O、A、U」の3つだけ。
そして「I、E」については、
「Oの派生系がI」
「Aの派生系がE」
と考えます。
こうした声の通り道を開く母音シリーズ
「O(I)、A(E)、U」
のことを、
「母音群」
と呼びます。
日本語ではEは口を横にやや引いて開き、
Iは唇を横に引いて発音します。
しかし母音群の考え方では、
「Oの口の開き」を保ちながら、
両唇を前にめくってIを発音します。
「Aの口の開き」を保ちながら、
両唇を前にめくってEを発音します。
このように「O(I)、A(E)、U」という母音群の訓練をすることで、全ての母音において声の通り道を開くことが出来るようになるわけです。
そして、この母音群の響きや声色を統一する作業を「母音の純化」と呼びます。
さて、今日はここまでです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また次回をお楽しみに!
第8回「ボイストレーニングの基礎知識」
こんばんは、堀江真鯉男です。
今日は、
「ボイストレーニングの基礎知識」
について、お話します。
ボイストレーニング。それは多くの場合、歌手や役者、声優、ナレーターといった「声を武器として使う職業」の人々を鍛える方法のひとつです。今回は話を絞るために、歌手のボイストレーニングに限定して説明します。
声には「かっこいい声」「柔らかい声」「パワフルな声」「ものすごく響く声」などありますが、そうした声は様々な発声トレーニングをすることで、ある程度までは使いこなせるようになります。(ある程度、というのは、それぞれの発声は人によって得意不得意がある、という意味ですので悪しからず)
なお、これから説明する内容は、現状では様々な流派、主義主張があり、意見の相違があります。ここでは「発声」について最も研究されていた時代のひとつ、クラシック音楽におけるバロック時代の発声システムを元にして説明していきます。
声区、3つのカテゴリー
世の中にはさまざまな発声がありますが、あらゆる発声練習を包括的に説明するなら
「地声と裏声のトレーニング」
のことを、今日ではボイストレーニングと呼んでいます。
「声区(せいく)」
といいます。
ボイストレーニングとは、言い換えれば「声区の状態を変える訓練」のことです。そしてこの声区の状態には、主に3つのカテゴリーがあります。
- 不完全声区融合
- 声区分離
- 声区融合
声区の状態は、
この3つのカテゴリーのどれかに属しています。
1.不完全声区融合
地声と裏声が未発達で、それぞれがひ弱な状態。声区を行き来する時、発声がひ弱すぎて声区の変わり目(ブレイク地点)がよく分からない場合がある。
主に、以下の2つがこのカテゴリーに入る。
【未発達の地声】
話声位(話し声)で使われる。
音程や声色のコントロールが効きにくい。
【未発達の裏声/ファルセット】
話声位(話し声)で使われる。主に女性の和声位。
音程や声色のコントロールが効きにくい。ただしこのファルセットは、Jpopなどで表現のために使われることも多い。
2.声区分離
地声と裏声がそれぞれ発達した状態。声区を行き来する時、声区の変わり目(ブレイク地点)がはっきり変化するのが特徴。Jpopで使われることが多い。
主に、以下の2つがこのカテゴリーに入る。
【胸声/チェストボイス】
胸に響くようトレーニングされた地声。
【頭声/ヘッドボイス】
頭に響くようトレーニングされた裏声。
同じポイントに響くよう訓練された地声のことも頭声と呼ぶ場合が多い。
3.声区融合
鍛えられた地声と裏声をスムーズに行き来できる状態。声区を行き来しても声区の変わり目(ブレイク地点)が分かりにくく、胸声と頭声の量成分が同時に響いているように聴こえるのが特徴。オペラやミュージカルで使われることが多い。主に、以下の2つがこのカテゴリーに入る。
【ベルティング】
胸声と頭声を、眉間や鼻腔のピンポイントに集めた(ように聞こえる)声。力強く金属質な響きが特徴。
【ミックスボイス】
胸声と頭声を、全身(身体の7箇所)に響かせた声。柔らかさ、美しさ、荘厳さが特徴。
※これらの声区トレーニング(地声と裏声のトレーニング)を行う際、ピアノなどの楽器を使って音程のサポートを受けながら発声練習をすることが多い。
基本的概念
ここまで、ボイストレーニングの基礎知識についての紹介をしてきました。今度は、ボイストレーニングの基本的概念について少し触れてみます。ボイストレーニングの基本的概念を考える上で、これまでに紹介してきた
「声の状態=呼吸と身体の状態」
という考え方を使います。
更に情報をアップデートして、
「声区の状態=呼吸と身体の状態」
と考えて見ましょう。
ここでは「声区」、そしてこれまでにブログで書いてきた「呼吸」「身体」についても並列的に見ていきます。
声区には「不完全声区融合」「声区分離」「声区融合」という3つのカテゴリーがある。
呼吸には「息を吸う」「息を止める」「息を吐く」という3つのカテゴリーがある。
身体には「股関節」「臍下丹田(へその下)」「腰」「胸」「首」「目」「頭皮」という7つのカテゴリーがある。
こうした「声区と呼吸、身体」それぞれがもつカテゴリーを足したり引いたり、掛け算をすることで、発声を改善、訓練していく。
実はこれが、ボイストレーニングの基本的な考え方になります。
さて、今日はここまでです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました𓆏
𓆏「発声講座まとめ1」第1回〜第7回ブログ
こんばんは、堀江真鯉男です。
第1回〜第7回を通して発声について書いてきましたが、今回はそのまとめです。
このページを読むだけでもかなり刺激になると思うので、ぜひ参考にしてみて下さい!
第1回〜第7回の要点
第1回「声に悩む、全ての人へ」
声の悩みを改善するためには、ボイストレーニングだけではダメ。声の使い方に関する感性を取り戻すことが大切。
「ボイストレーニング×感性の引き出し方」
を学ぶ必要がある。
第2回「知らない事を見つける?」
自分が知っていたつもりで気づいていないことを「スコトーマ」という。インターネットで発声について調べるときは「自分が何を知らないかを知る」ために使う。知らない単語、興味の湧くことが出てきたら更に調べる。
第3回「いい発声の共通点」
声に起こっている問題は、同時に呼吸と身体に起こっている問題のサインである。ゆえに
「声の改善=呼吸と身体の改善」
と言うことが出来る。
第4回「呼吸が発声を良くする?」
呼吸の3要素は「息を吸う、息を止める、息を吐く」。オススメは「息をOで吸う、息をAで止める、息をUで吐く」。
第5回「身体が発声を良くする?」
身体の7箇所のケアが発声の改善に繋がる。
ケアすべき場所は「股関節、おへそ、背中下、胸、首、目、頭皮」のまわり。
第6回「プロ歌手の自己管理法」
プロ歌手はセルフマネジメントとして、
「声と呼吸、身体」のトレーニング(鍛え方)、ケア(癒し方)、コントロール(使い方)を学び続け、管理している。
第7回「センスの鍛え方」
センスは「内部表現(心の状態)」に起因する。内部表現は「ビリーフ(信念、観念、物事の捉え方)」に従って反応を起こす。センスをアップデートするためには、ビリーフを変えなければならない。
第1回〜第7回まとめ
発声とは「声と呼吸、身体の問題」を改善する手段です。
発声の改善には
- 「ボイスマネジメント(声の自己管理)」
- 「スコトーマ(心理的盲点)の発見」
- 「センス(感性)のアップデート」
この3つが必要です。
ボイスマネジメント(声の自己管理)
呼吸の3要素
- 息の吸い方(オススメはOで吸う)
- 息の止め方(オススメはAで止める)
- 息の吐き方(オススメはUで吹く)
身体の7箇所
- 股関節まわり
- おへそまわり
- 腰まわり(背中の下側)
- 胸まわり
- 首まわり
- 目のまわり(表情筋)
- 頭皮
スコトーマ(心理的盲点)の発見
- 発声に関して「自分の知らない知識」を見つけるためにインターネットを使う
- 知らないワードが出てきたらさらに調べる
センスを鍛える方法のひとつ
- ぼーっとしたままYouTubeを観る
いかがでしたでしょうか?
発声の改善について、目からウロコな発見もあったのではないでしょうか(ないかな?笑)。
第1回〜第7回では、発声に関する基礎的な「考え方」について話してきました。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございました𓆏